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『オカルト』は、2009年に日本で公開されたホラー・スリラー映画。 キャッチコピーは「見てはいけない、地獄の映画」〔映画 オカルト 〕 通り魔に襲われた男が、「神の啓示」を受けたとして大量殺人を計画。通り魔事件を調べていた映像製作会社のディレクターが彼に協力し、2人が事件を実行するまでの過程と実行後の末路、そして一連の事件の裏に潜む「神」について描く。監督である白石晃士作品の一部と世界観を同じくし、後の作品でそのつながりを伺わせる演出がある。 == 概要 == 白石晃士監督が得意とするPOV・モキュメンタリーの手法が本格的に取り入れられた作品。2005年に撮影した『ノロイ』ではPOVの観点は一貫していたものの、「本当にあったこと」としてドキュメンタリーの体は最後まで崩しておらず、「フィクションの面白さが取り入れられない」というジレンマがあった。そこで、「ドキュメンタリーを模したフィクションにして、どうせフェイクにするなら大嘘をつこう」と決め、プロデューサーからも「低予算だが自由度は高い」と言われたので、思い通りに制作した〔。 本作ではそれに留まらず、「ネットカフェ難民」「派遣業」「通り魔事件」といった、撮影当時の世相を反映させ、盛り込んでいる。主役である江野の日雇い労働者としての待遇や行動は、白石自身が上京してきた時の体験が活かされている。2008年は土浦連続殺傷事件、八王子通り魔事件などの「社会への不満の発散」を目的とした通り魔事件が社会問題化していたが、中でも6月8日に発生した秋葉原通り魔事件が起こった時はちょうど脚本の完成間近だったため、「偶然だが脚本が現実になった」と驚いたという〔。ただし、それらの問題を含めてはいるものの、映画をシリアスなものにはしておらず、江野がどこか抜けた調子で描かれているなど、観客の笑いを誘う要素が多い〔。特にラストシーンについて、白石は「モキュメンタリーらしい、笑い飛ばせる作品にしたかった」と語っている〔〔。最後に江野らがいた奇妙な空間については、「(監督が好きな)スティーヴン・スピルバーグの『未知との遭遇』の"その後"を描いた」とのこと〔。 主役を演じた宇野祥平は、別の作品で白石が見て気に入り、どうしてもキャスティングしたいがために(宇野が他人に任せられないように)主役の名前を「江野祥平」とする案を講じ、外堀を埋めてからオファーした〔。 劇中でカラスの大群が上空に集まるシーンがあるが、CGではなくすべて本物である。そのシーンを撮影するため、カラスを呼ぶ芸を持つChim↑Pomに依頼した〔Chim↑Pomは「機材協力」としてクレジットされている。〕。「普段は渋谷109付近までしか呼んだことがなく、信号機があるためスクランブル交差点まで呼ぶのは無理だろう」と言われたが、駄目もとで挑戦したところ成功した〔。 白石監督作品との関連を匂わせるものとして白石監督作品恒例の「霊体ミミズ」が画面上に浮かび、江野が「異界と神の存在」を語っている。また、『戦慄怪奇ファイル コワすぎ!最終章』では、作中に登場する「江野祥平」が、登場人物の田代正嗣(演:白石晃士)に「白石くん」と呼びかけ、「江野さん」と呼ぶ田代に「江野くんでいい」と言ったり、「別の世界で田代に恩がある」と語る場面がある。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「オカルト (映画)」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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